映画『ドラえもん のび太の魔界大冒険』って、どうして怖いの?
まかせて!すでに観た人にも、これから観る人にも分かりやすく、怖い理由を分析してみたよ。
こんにちは!
80年代にアニオタだった『ぴのママ』です。80年代後半から、90年代前半にかけて、小学生時代を過ごしました。
『ドラえもん』は物心ついた時から大好きな作品で、小学生時代はクラスで一番の「ドラえもん通」として知られていました。
40代の現在もその愛は変わらず、漫画やアニメに触れ続けています。
今回は、トラウマ級に怖いと評判の映画『ドラえもん のび太の魔界大冒険』について、何故そんなに怖いのか理由を考察します。
- 子どもの頃に観て怖かった記憶があるので、改めて理由を知りたい
- 観てみたいけれど、どれくらい怖いのか予め知っておきたい
- 『ドラえもん』やホラー映画が好き
こんな方におすすめの記事です。
▲▲あらすじ程度のネタバレあり!ご注意ください▲▲
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①ドラえもん『魔界大冒険』とは?
正式名称『ドラえもん のび太の魔界大冒険』は、藤子・F・不二雄先生ご自身が描いた『大長編ドラえもん』の5作目に当たります。
原作漫画は『月刊コロコロコミック』で1983年9月号から1984年2月号にわたって連載され、後に単行本となっています。
大山のぶ代さんら旧声優陣により、最初のアニメ映画化がなされ、1984年3月17日に公開。
「トラウマ級に怖い」と評判なのは、専らこの「旧アニメ」であり、本記事でも主にこの映画について言及しています。
アニメ『ドラえもん』は、その後2005年に声優陣が総入れ替えとなりました。
『魔界大冒険』は水田わさびさんがドラえもんを務めるバージョンでもリメイクされ、2007年3月10日に『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~』というタイトルで公開。
新バージョンは原作をベースにしながらも、ところどころストーリーが改変されています。
旧バージョンに比べると、あまり「怖い」という評判は聞きません。その理由も探っていきます。
②ドラえもん『魔界大冒険』あらすじ
「原作漫画」と「旧アニメ」はほぼ同じストーリー展開で、以下のようになっているよ。
魔法を使って大活躍する夢を見たのび太。
ところが起きてみると、いつも通りママに叱られる日常が待っていました。
夢と同じように魔法を使えるようになりたいと、ドラえもんに「道具」がないか聞いてみるも、「ない」と言われてしまいます。
ママに言われて古い絨毯を捨てに行ったのび太とドラえもんは、ゴミ捨て場で「ドラえもんの形をした石像」を拾います。その後、裏山では「のび太の形をした石像」を拾うことに。
自分たちに型どった石像を「放ってはおけない」と家に持ち帰った二人。
恐ろしいものを見て凍りついたかのような石像の表情に、のび太は「魔法で石にされた僕たちじゃないか」とドラえもんに持ちかけます。
しかしドラえもんは「僕たちが石にされたのなら、今ここにいる僕たちは何なんだ」と取り合いません。
床に入ってからも、どうしても「魔法」のことが忘れられないのび太。
考えこむうちに、ふと秘密道具「もしもボックス」を使って、今いる世界を「魔法が使える世界」に変えてみることを思い付きます。
ドラえもんも「面白そうだ」と話に乗り、かくして「魔法世界」が生まれることになったのでした。
ところが、「魔法世界」はのび太が思い描いたような世界ではありませんでした。
魔法を使うにも勉強や高価な道具が必要であり、勉強ができないのび太は魔法でも劣等生で、ママに叱られたり友達からバカにされたりと、元の世界と変わらなかったのです。
おまけに、満月博士の説によると、魔界が地球に接近しており、世界の終わりが近いと言うのです。
恐れをなしたのび太は元の世界に戻そうとしますが、なんと「もしもボックス」をママに捨てられてしまい、戻せなくなってしまいます。
地球を救うため、のび太とドラえもん、いつもの友達3人は、満月博士の娘・美夜子と魔界に乗り込むことになるのでした。
「新アニメ」では、石像を拾う場所など若干の違いがあるけど、導入部はほぼ上の通りかな。
③ドラえもん『魔界大冒険』がこわい理由6選
あらすじを踏まえ、主に「旧アニメ」が怖いと言われる理由として、以下の6点を探っていきましょう。
- 出木杉の説明に伴う背景画
- 恐怖におののく石像の表情
- 世界中で起こる天変地異
- 不気味な魔界の様相
- 安心から一転しての恐怖
- メジューサのビジュアル
ひとつずつ紹介していきます。
3-1. 出木杉の説明に伴う背景画
ドラえもんやしずかちゃんにまで魔法を否定されたのび太は、物知りの出木杉の家へ「魔法があるかどうか」を聞きに行きます。
のび太の質問に対し、出木杉はバカにすることも笑うこともなく、至って真面目に答えます。しかも賢くないのび太にも分かりやすく…!
ここが出木杉の「出来過ぎ」たる所以で、彼は勉強ができるだけでなく、性格もとても良いのです!
出木杉による説明のポイントは以下の通りです。
- 昔は魔法も真面目に研究されていた
- それらの研究が科学の発展に役立ったため、科学も魔法も根は同じと言える
- 魔法だけが廃れたのは、魔法が「悪魔の力を借りる」学問とされたため
- 従って中世には徹底的な「魔女狩り」が行われた
それらの説明を出来杉がする間、背景には「魔法を研究する人々」や「魔女狩りの様子」など、オカルト的な静止画が写し出されます。
実際に中世の人によって描かれたと思わせる写実的な絵は、やけにリアリティがあり、未知で不気味な世界が過去に本当にあったかのような幻想を抱かせます。
視聴者に不穏な気持ちを抱かせる最初のシーンとも言えるね。
そして説明の終わりに「つまり魔法はもうないの?」と聞くのび太に対し、出木杉が「ない」とハッキリ言い切るところも、未知が未知のまま終わってしまった不気味さを残します。
「新アニメ」では魔法の歴史についてドラえもんがサラッと触れる程度だね。
出木杉も登場しないし、おどろおどろしい背景画も流れないため、怖さが軽減されているよ。
3-2. 恐怖におののく石像の表情
映画が始まって早々に、ゴミ捨て場でドラえもんの形をした石像が発見されます。
その時、ドラえもんは「誰かが作ってゴミ捨て場に捨てた」と考える旨の発言をしており、視聴者も「そうなんだろうな…」と一旦は思わされます。
しかし、その後のび太は、出木杉の説明を聞いた帰り、裏山で自分を型どった石像を拾うことに…!
一体なら「誰か人間が作った」とも思えますが、二体揃うとただの偶然ではないという思いが増します。出所が未知であるという不安感から、「もしかしたら人間の仕業ではないのかもしれない」と疑問がわいてきます。
そこへ、のび太が「石像が汗を流した」「恐怖に凍りついた顔をしている」などと言うものだから、視聴者の不安はますます掻き立てられるのです。
「新アニメ」では、ドラえもんの石像は屋根を破って落ちてくるし、のび太の石像は空き地でジャイアンたちに袋叩きにされているところを見つけられているね。
リアリティのない脚色が怖さを半減させていると言えるかも…!
3-3. 世界中で起こる天変地異
のび太の住む東京を、多発する地震や大型台風が襲うだけでなく、作中のテレビでは、世界中の至るところで前代未聞の自然災害が発生しているニュースが流れます。
天変地異(自然災害)というのは、人間の力が及ばない領域で起こります。
今の科学ではどうすることもできないため、「この先どうなるのだろう…」という不安感を煽られるのです。
こうした不安感は、地震や洪水の頻度が高まってきた現代に住む私たちなら、よく分かるのではないでしょうか。
古代の人々が天災に神の怒りを見出していたのに似た恐れを、現代の私たちもまた抱かざるを得ないのです。
3-4. 不気味な魔界の様相
のび太といつものメンバーは、美夜子と魔界に乗り込む決意をします。
先人ナルニアデスが遺した「魔界歴程」を頼りに、なんとか魔界入りを果たした一行。
しかし、そこには不気味な世界が広がります。
まず、空の色が赤・緑・青の3色であることが不気味です。地球でも空の色が変わることは天変地異の前触れとして知られていますから、カラフルな空だけでもう恐ろしさを誘われます。
そして美しすぎて抗えない人魚の歌声も不気味です。醜いものも恐ろしいですが、美しすぎて棘があると分かっていながら毒牙にかかってしまう…というのも、違う意味での恐怖を駆り立てられます。
そして「帰らずの原」での動く植物もまた不気味さを演出する上ではニクイですねぇ。思わず藤子・F・不二雄先生に拍手を送りたくなっちゃいます。
「新アニメ」では、「魔界歴程」を手に入れるくだり、月の光に関するくだり等、原作にはないエピソードが追加された一方で、人魚や帰らずの原のエピソードは無くなってしまったので残念!
時代の流れか、派手なアクションのあるシーンが目立ち、「静的な不気味さ」というシーンは減った気がするね。
3-5. 安心から一転しての恐怖
終盤は、「これでイケる!」と一旦思わせておいてからの、「やっぱりダメだった」という絶望感の連続です。
大魔王にダーツが効かない
「大魔王の心臓に銀のダーツを打ち込めば死ぬ」という前情報の元、無事に打ち込むことに成功!
ところが、全く効かず、大魔王はピンピンしています。
「なんで?どうして?」と、登場人物も視聴者も焦る場面です。
石ころ帽子が効かない
大魔王に吹き飛ばされ、一旦は退去することを決めた一行。
「石ころ帽子」を被れば姿は見えないから逃げおおせる…と思いきや、敵は臭いをかぎつけてやってくる。
「石ころ帽子」が役に立たず、仲間たちが襲われていく過程も恐怖です。
リメイク版では「石ころ帽子」の代わりに「モーテン(盲点)星」が使われていたけど、個人的には「石ころ帽子でいいじゃん!」って思う。
過去の自分たちを止められない
タイムマシンで過去に行き、自分たちが「もしもボックス」を使うのをやめさせようと思いついたドラえもんとのび太。
これ以上ない妙案に「もう大丈夫だ」と思われたのも束の間、メジューサがタイムマシンを追ってやって来ます。
妙案からの絶望の落差が恐ろしいです。
3-6. メジューサのビジュアル
旧『魔界大冒険』がトラウマ級だと言われる一番の要因が、大魔王の手下である「メジューサ」のビジュアルです。
#子どもの頃怖かったもの
— しょおー!! (@vinushka_xenou) December 12, 2018
ドラえもん 魔界大冒険(旧映画)のメジューサ pic.twitter.com/I0tFRF4CvN
まず髪の一本一本が全て蛇。肌はくすんだグレー、目は正気のない赤色と、化物感が半端ないです。
身体は足がないオバケ仕様ですが、メジューサの怖さはその身体に肉付きがないところです。言うなれば、「骨と皮」だけの体格。「病気」や「死」を連想させるその様相に、人々は恐怖を抱くのではないでしょうか。
その恐ろしいビジュアルのメジューサが、時の流れを泳いでタイムマシンを追ってくるのです。
長い『ドラえもん』の歴史の中で、何の道具も身につけず、生身で時の流れを泳いだ生物はメジューサしか知りません。
そして、平和なはずののび太の勉強部屋ーすなわち視聴者の子どもにとっても「安全なはずの日常の空間」にソレが「オォーン」とうなりながら現れるのですから、恐怖以外の何者でもないでしょう。
「新アニメ」のメジューサは、ビジュアルが肉付きの良い人間よりになっただけでなく、ヒロインの◯◯という設定まで加わり、非常に血の通ったキャラとなっていたよ。
圧倒的な化物感を味わいたいなら、やはり旧映画を観なくちゃね。
「ドラえもん のび太の新魔界大冒険」
— mori3 (@lalabaipanda) October 6, 2020
メデューサが美人過ぎるのはどやねん・・
もっと自分の時みたいにトラウマ植え付けろよ!! pic.twitter.com/vHrBG2Dswd
④ドラえもん『魔界大冒険』感想
最後に、原作漫画と、新旧アニメの私の感想をそれぞれ紹介します。視聴の参考になれば幸いです。
4-1. 原作漫画
一番のおすすめは、何と言っても原作漫画です。
動かない紙面のはずなのに、臨場感はどちらのアニメ映画よりも優れています。
特に、満月博士の屋敷跡で、ドラえもんが「ひらりマント」で敵をやっつけるシーンと、ラストで星を回避する時に魔法の絨毯がガクンと動くシーンは、本当に映画を観ているような迫力で惚れ惚れします。
「映画を観ているような」と表現しましたが、両方の映画でこの迫力が再現できていないのだから、改めて油の乗っていた時期の藤子・F・不二雄先生の才能に脱帽します。
最初に石像を出して、終盤にその謎が解けるストーリー展開も秀逸です。
美夜子を残して、のび太が自分だけ逃げるシーンは泣けます。普通の映画なら、逃げずに戦う主人公を描くでしょう。でものび太は一旦は自分の弱さを認めて逃げるのです。そこが安易な感動モノと違い、人間をしっかり観察した上で描かれていると感じてとても良いと思います。
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4-2. 旧アニメ
全体的におどろおどろしい感じが漂います。
『妖怪人間ベム』等、大人でも怖いビジュアルが普通に子ども向けとしてテレビで流れていた昭和の時代を感じます。
一方、日常のシーンではテレビアニメ『ドラえもん』で流れていたホンワカしたBGMがそのまま使用されているので、懐かしく感じました。
原作で迫力があった私のお気に入りのシーンについて、満月博士の屋敷跡のシーンは原作の絵をそのまま使っただけの静止画、魔法の絨毯のシーンに至ってはなんとカットされていてショックでした。動的な迫力という点では、この時代の限界なのか、今となってはお粗末な仕上がりと言わざるを得ません。
ラストに銀のダーツを打ち込むキャラが変わっのは残念でしたが(原作ではジャイアン、アニメではのび太)原作のストーリーをほとんど変えずにアニメ化してくれたのは、原作ファンとしては嬉しい限りです。
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4-3. 新アニメ
旧アニメとは一転して「やたらと動く」作品です。
時代の流行りもあるのでしょうが、盛り上がるシーンを「カメラワーク」や「BGM」で誤魔化そうとしている感じがして、私のような昔人間は反発してしまいます。
ストーリーでちゃんと「盛り上げ」られれば、本来ならば無駄な演出は必要ないと思います。
笑いを取ろうとしてか、日常シーンですら不必要に動くところがリアリティを半減させ、おどろおどろしい怖さを無くす要因となっています。
メジューサや月の光に原作にはない設定を持たせたのも、原作ファンとしては「余計」かな。旧作が1時間半だったのに対し1時間50分あるし、やたらと動くので観ていて疲れます。
まぁ、私は原作&旧アニメファンなので、どんなリメイクが来ても納得はしなかったでしょう。「別物」として観るなら悪くない出来だと思います。
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