ドラえもん映画に出木杉が出演したのは何回？冒険に連れてって貰えない理由とは？　

こんにちは！

80年代にアニオタだった『ぴのママ』です。80年代後半から、90年代前半にかけて、小中学生時代を過ごしました。

『ドラえもん』は物心ついた時から大好きな作品で、小学生時代はクラスで一番の「ドラえもん通」として知られていました。

40代の現在もその愛は変わらず、漫画やアニメに触れ続けています。

今回は、そんな『ドラえもん』の映画のうち、出木杉が出ているシーンについて解説します。

• 出木杉は何の映画にどれくらい出ている？
• 出木杉が映画に登場する意味とは？
• 出木杉は何故のび太たちの冒険に連れて行って貰えないの？

こんな疑問を解決します。

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①ドラえもんの出木杉とは？

フルネーム・出木杉英才（できすぎひでとし）とは、『ドラえもん』に登場するキャラクターで、野比のび太のクラスメイトです。

成績優秀、スポーツ万能、顔良し、性格良しで、非の打ちどころのない、正に「出来過ぎ」の少年です。

作中では源静香と仲良くしているシーンが多く、のび太の恋のライバルとなっています（現時点ではのび太に勝てる要素はないのですが…）。

②ドラえもん映画に出木杉が出演した作品

そんなスーパー少年の出木杉ですが、何故か映画『ドラえもん』では、冒険に連れて行ってもらえないことで知られています。

しかも、いくつかの映画では序盤に登場し、のび太たちに冒険のきっかけを与えているにも関わらず…です。

実際、出木杉はどの映画にどの程度出演しているのか、検証してみました。

2-1. 出木杉が出演した映画は何本？

Wikipediaで、各映画のキャストを調べたところ、出木杉は以下の作品に出演していることが判明しました。

• 大魔境（1982・2014）
• 魔界大冒険（1984・2007）
• 宇宙小戦争（1985・2022）
• パラレル西遊記（1988）
• 創世日記（1995）
• 翼の勇者たち（2001）
• 緑の巨人伝（2008）
• 新宇宙開拓史（2009）
• 人魚大海戦（2010）
• 奇跡の島（2012）
• 宝島（2018）
• 月面探査機（2019）
• 空の理想郷（2023）
• 地球交響楽（2024）

全43作品中17作品なので、約40%の出演率であることが分かります。

ちなみに、大山ドラでは25作品中6作品（24％）、水田ドラでは18作品中11作品で（約61%）で、水田ドラの方が登場率が高いようです。

2-3.出木杉の出演シーンは何分？

出木杉が出演している17作品を調べたところ、ほとんどが1分未満であることが分りました。

むしろ、1分あれば良い方で、少ない時には10秒という作品もあります。

そんな中、比較的長く出演している作品が『宇宙小戦争（旧）』と『パラレル西遊記』です。

『宇宙小戦争（旧）』では、ジャイアンとスネ夫の映画製作の仲間に入れて貰っており、複数回登場。1分20秒ほどの比較的長いシーンも2回観られます。

『パラレル西遊記』では、序盤だけでなく、映画史上唯一、中盤にも登場します。

学校で『西遊記』の劇をするシーンで「孫悟空」の役を演じていますが、中盤に登場した時には、なんと妖怪になっており、のび太たちを驚かせました。

2-3. 原作のシーンをカットされる出木杉

原作（藤子・F・不二雄先生による『大長編ドラえもん』シリーズ）でも、出木杉の登場シーンは限られていますが、ただでさえ少ない出番がアニメで更にカットされてしまうことも珍しくありません。

例えば、前述した『宇宙小戦争』の原作では、出木杉が映画撮影のアイデアを出すシーンがあります。

木と木の間にピアノ線を張ることで模型飛行機の軌道を安定させたり、スネ夫たちが爆竹で済まそうとしていた爆発シーンのために簡単な着火装置を作るなど、目覚ましい活躍を見せます。

その様子を覗き見したのび太は、「出木杉を取られたのは失敗だった」と悔やむのでした。

しかし、アニメ（旧作）では、出木杉がアイデアを出すセリフはカットされており、スネ夫たちがすでにカメラを回して撮影に入るところから始まっています。

それでも、旧作はまだいいんです。「ピアノ線」や「着火装置」など、出木杉のアイデアが撮影に取り入れられていたから…。

しかし、新作『新のび太の宇宙小戦争2021』では、スネ夫たちはドラえもんの秘密道具「クロマキーセット」を使って撮影をしており、もはや出木杉のアイデアすらなかったことにされているのです。

見せ場を奪われた挙げ句、出木杉は「塾の合宿」設定で途中退場させられてしまいます。

しかし、そんな『新宇宙小戦争』にも勝るハブられ方をしている映画があるのです。

それは『竜の騎士』です。

『竜の騎士』の原作では、川で恐竜を見たスネ夫が、出木杉に電話で相談するシーンがあるのです。

「頭がおかしくなったのかな」と悩むスネ夫に対し、出木杉は「怖いと思っているとシーツがお化けに見えるとか、ありもしないものを見た気がするのはよくあること」と諭します。

それを聞いてスネ夫は、「気が楽になった」と出木杉にお礼を言って電話を切るのです。

このシーン、原作では出木杉の顔も出てきてセリフもあるのですが、アニメではスネ夫の一人芝居になっているのです。

つまり、スネ夫のセリフだけで出木杉と電話をしていることが分かるような演出となっており、出木杉は姿も映して貰えないどころか、声さえ一切出演させて貰えていないのです。

そもそも、劇場版第一作目の『のび太の恐竜』のシナリオ第一稿には出木杉も冒険の仲間に入っていたのに、完成したアニメではハブられていたという経緯があるそうで…。

（第一稿で出木杉が見せた知識は、完成版ではドラえもんやスネ夫の役回りに変わっていたそう…）

出木杉の映画での不遇な扱いは、すでに一作目から始まっていたと言っても過言ではありません。

③ドラえもん映画における出木杉の役割

これまで見てきたように、『ドラえもん』映画への出木杉の出演シーンは非常に短いと言わざるを得ません。

しかし、ストーリーになくてはならない存在であることは確かです。

『ドラえもん』映画に置ける出木杉の役割とは何なのかを見ていきましょう。

3-1. 映画の舞台説明

出木杉の出演のうち、最も必要不可欠な役回りは「視聴者への映画の舞台背景の説明」でしょう。

例えば『魔界大冒険』では魔法の歴史について語ったり、『翼の勇者たち』では鳥人伝説について語ったり、『空の理想郷』ではユートピアについて語ったりと、短いセリフの中で視聴者を物語の舞台へといざなってくれます。

出木杉はこうした「世界中の伝説」に詳しい一方、『宝島』ではスティーブンソンの小説について他の子どもたちに話して聞かせたり、『大魔境』ではNASAが名付けた「ヘビースモーカーズフォレスト」について説明するなど、文学や科学の知識にも長けています。

3-2. 映画に奇跡感を持たせる

様々な知識が豊富な出木杉ですが、その知識が仇（あだ）となり、他の子どもたちのように「夢を見る」ことに乏しい存在として、しばしば描かれてしまいます。

フォローしておくと、出木杉だって現実的な夢は見ます。例えば「将来◯◯に挑戦したい」とか「◯◯について調べてみたい」などです。

夢のために頑張ってお小遣いをためるなど、少年らしい部分もあるのです。

しかし、『ドラえもん』映画にありがちな「空想世界が現実となる」というような夢に関しては、常識が邪魔をして信じることができません。

そんな出木杉の「ありっこない」発言が入ることにより、視聴者は「ありっこないことが起こった」奇跡感を映画の中に見ることができるのです。

3-3. レギュラーメンバーの相談相手

『大魔境』や『魔界大冒険』では、のび太は分からないことがあるとすぐに「出木杉に聞いてみよう」と家を訪ねています。

他にも『創世日記』では夏休みの自由研究を相談したり、『緑の巨人伝』では裏山の保全について聞いたりもしています。

『宇宙小戦争』では、のび太だけでなく、ジャイアンやスネ夫もその頭の良さを頼りにしています。

『竜の騎士』ではスネ夫の精神的な悩みにも的確にアドバイスをしており、カウンセラーの素質すらあるスーパー小学生なのです。

3-4.  エキストラ

豊富な知識を買われ出演することの多い出木杉ですが、時には「その他大勢の一人」として登場します。

しかし、そんなシーンでも侮るなかれ。たった10秒のシーンでも、出木杉の個性は光っているのです。

『新魔界大冒険』では魔法を使った野球でスーパープレーを見せ、女子にキャーキャー言われています。

『奇跡の島』では、のび太のパパをバカにする歌をうたうジャイアンとスネ夫に「2人とももうやめないか」とご立腹。

『月面探査機』では転校生のルカに「どう、慣れた？」と声をかけています。「月に生き物は住めない」と言ってルカにはガッカリされていますが、現実的には、例え価値観が合わなかったとしても、声をかけてくれることが転校生にはありがたいでしょう。

しかし、そんな出木杉でも中学生には敵わないのか、『新宇宙開拓史』では、空き地を取られた中学生との交渉をのび太に任せるためか、のび太を「カッコいい、さすがだよ」とおだてています。

更に珍しい、出木杉らしくないカッコ悪いシーンが見られるのが『人魚大海戦』です。

彼は、夜に自宅のベランダで望遠鏡を使っているところ、ドラえもんが海から呼び寄せたサメと遭遇し、気絶しています。

④ドラえもん映画の冒険に出木杉が連れてってもらえない理由

頭も良くスポーツ万能、顔も性格も良い出木杉のような存在がいたら、クラスでは一目置かれて当然でしょう。

…にも関わらず、出木杉は、のび太たちの冒険には一度も参加を許されないのです。

その理由を考えてみましょう。

4-1. 出木杉にはイージーゲーム

冒険の最中、様々な困難にぶち当たる一行ですが、出木杉さえいれば、あらゆる問題もその頭脳でクリアしてしまうでしょう。

出木杉がいれば、そもそもピンチに陥ることもないという説も。

いくつかの作品では、のび太やドラえもんの「うっかり」や「やらかし」からとんでもない事態に発展していることを思えば、確かにその説にも頷けます。

いずれにしろ、出木杉がいると、『ドラえもん』映画は、映画として成り立たなくなってしまうのです。

もし出木杉をメンバーに迎えた映画を作るならば、必然的に彼の頭脳にスポットが当たることになり、その反動で敵にも頭脳派が現れ、『DEATH NOTE』のような頭脳戦を繰り広げることになってしまいます。

4-2. 他のメンバーの活躍がなくなる

『ドラえもん』映画では例外こそあれ、キャラクターそれぞれが特技を発揮し、一人ではなく「皆の力を合わせて」困難を乗り越えることにより、感動を巻き起こしています。

しかし、出木杉がいると、「それぞれの特技」であるはずの、ほとんど全てにおいて出木杉の方が優ってしまうのです。

例外としては、ジャイアンの腕力とのび太の射撃くらいでしょうか。

ドラえもんの道具は持っていませんが、「道具を生かす能力」はドラえもんより長けていると見られます。

ですので、ドラえもんは「仲間」というより「出木杉の道具」になり下がってしまうでしょう。

『ドラえもん』映画が友情に重きを置いている以上、他のメンバーの存在意義をかすませてしまう出木杉の存在は邪魔だと言えるでしょう。

4-3. 夢の世界を真っ向から否定

これまで見てきた理由は、製作サイドの事情でしたが、のび太たち同じ子どもの視点から見て、出木杉が冒険に連れてって貰えない理由はコレでしょう。

すなわち、出木杉は夢見る子どもたちにとって、常に「水をさす」存在なのです。

『魔界大冒険』では「魔法はない」

『宝島』では「海賊の宝は作り話」

『月面探査機』では「月に生き物はいない」

『奇跡の島』では「カブ太（のび太のカブト虫）に勝ち目はない」

アニメではカットされていましたが原作の『大魔境』では「秘境などない」

…など、正論によりことごとくのび太の夢を打ち砕きます。

夢を信じているのび太と、のび太の味方のドラえもんにとっては、あまり旅を共にしたい相手でないことは確かでしょう。

そんな出木杉でも、たまには真っ向否定しないこともあるんです。

『翼の勇者たち』では、「消滅したフラミンゴの大群は宇宙人に連れ去られた」と仮説をたてるのび太を笑うジャイスネに対し「のび太くんの説もあるかもしれない」とフォロー。

『空の理想郷』では「ユートピアは全くの作り話とも言えないかも」と言っています。

しかし、それらの発言の根拠も「世界各地に残されている言い伝え」だったりして、どうしても現実的なエビデンスからは離れられない出木杉なのです。

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⑦ドラえもん映画の出木杉まとめ

『ドラえもん』のスーパー小学生・出木杉英才は、映画全43作品中、16作品に登場します。

出演時間は1分前後と非常に短いですが、映画に欠かせない役割を担っています。

出木杉が冒険に連れて行って貰えない理由は、完璧すぎて映画が成り立たなくなるためと、夢を見るのび太に水を差しすぎるためです。