ドラえもん『夢幻三剣士』が怖い理由4選！トラウマになるラストの考察まとめ

こんにちは！

80年代にアニオタだった『ぴのママ』です。80年代後半から、90年代前半にかけて、小学生時代を過ごしました。

『ドラえもん』は物心ついた時から大好きな作品で、小学生時代はクラスで一番の「ドラえもん通」として知られていました。

40代の現在もその愛は変わらず、漫画やアニメに触れ続けています。

今回は、怖いと評判の映画『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』について、何故そんなに怖いのか理由を考察します。

• 子どもの頃に観て怖かった記憶があるので、改めて理由を知りたい
• 観てみたいけれど、どんなところが怖いのか予め知っておきたい
• 映画が終わっても尾をひく怖さを味わってみたい

こんな方におすすめの記事です。

▲▲あらすじ程度のネタバレあり！ご注意ください▲▲

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①ドラえもん『夢幻三剣士』とは？

正式名称『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』は、藤子・F・不二雄先生ご自身が描いた『大長編ドラえもん』の14作目に当たります。

原作漫画は『月刊コロコロコミック』で1993年9月号から1994年3月号にわたって連載され、後に単行本となっています。

大山のぶ代さんら旧声優陣により、アニメ映画化がなされ、1994年3月12日に公開。以来、ドラえもんの「怖い映画」の一つとして、名が挙がるようになりました。

水田わさびさんのバージョンでは、2024年の時点でリメイクされていません。

②ドラえもん『夢幻三剣士』あらすじ

夢の中でヒーローだったのび太は、怖気付くジャイアンとスネ夫の前で怪物を倒し、しずかを助けます。

いい気分で朝を迎え登校したのび太でしたが、現実では先生に怒られるわ、ジャイアンとスネ夫にバカにされるわ、散々です。

帰宅して「夢の続きを見せて」とドラえもんに頼みますが、ドラえもんは「夢の世界に逃げるなんてくだらない、現実を生きろ」と突っぱねます。

しかし、気落ちするのび太に、結局は秘密道具「気ままに夢見る機」を出してやるのでした。

「夢見る機」には様々なカセットテープがついており、好きな夢を選んで、自分を配役として見ることができるのでした。

夢を楽しみ、再び朝を迎えたのび太でしたが、現実では早速宿題を忘れたため、始業前に終わらせようと裏山へ行きます。しかし、さっぱり分かりません。

そこへ、奇妙な姿のおじさんが現れ「知恵の木の実」をくれます。

木の実を食べたのび太はスラスラと問題を解けるようになりますが、効果はその時だけ。

帰宅途中に再びそのおじさんに会ったのび太は、知恵の木の実をもっとくれるよう頼みます。

しかし、おじさんは「夢幻三剣士の世界ならもっと素晴らしい力が手に入る」と言い残し、手を羽ばたかせ飛んで行ってしまいました。

おじさんの言葉の意味が分からず帰宅したのび太は、ドラえもんが「22世紀デパート」からのダイレクトメールを捨てているところに遭遇します。

商品が「夢幻三剣士」の夢カセットだと知って、のび太はドラえもんに買ってくれるようせがみます。

やがて商品が到着し、早速夢を見るのび太。

ストーリーは、「白銀（しろがね）の剣士」となって「妖霊大帝」と戦い、「ユミルメ国」を救う…というものでした。国を救った暁には、お姫様と結婚できると言うのです。

友達にも夢の受信機を取り付けることで、しずかをお姫様に、ジャイアンとスネ夫を三剣士の仲間に、ドラえもんを魔法使いに迎え、冒険に出発しますが…？！

③ドラえもん『夢幻三剣士』が怖い理由4選

あらすじを踏まえ、「夢幻三剣士」が怖いと言われる理由として、以下の4点を探っていきましょう。

• 不気味なトリホー
• 夢と現実が入れ替わる
• のび太としずかの死
• 山の頂上に建つ学校

ひとつずつ、紹介していきます。

3-1. 不気味なトリホー

のび太を「白銀の剣士」として「夢幻三剣士」の世界へ導いたトリホー。

夢の世界では鳥の姿をしていますが、初登場時は現実世界で、人間のおじさんの姿をしていました。

しかし、大きくて白い目、羽もないのに手を羽ばたかせて飛んで行く様など、人間離れしている様子が不気味です。

このトリホー、妖霊大帝の家来ではあるのですが、ラストまで謎の多い人物なのです。

ネット上でも「夢の世界の住人なのに、何故現実世界に現れることができたのか」「夢見る機の引き取り人がトリホーに似ていたのは何故か」「実は未来のゲーム会社の社員ではないか」など、様々な憶測が飛び交っています。

ビジュアルと相まって、正体が不明確な点も怖さを誘います。

3-2. 夢と現実が入れ替わる

夢の中で「秘密道具」を使い過ぎ、夢の世界観を台無しにしたとして、のび太の機嫌を損ねることになったドラえもん。

反省したドラえもんは、四次元ポケットを外した上、夢と現実が入れ替わるという「かくしボタン」を押します。

ボタンを押したことで、夢の中ののび太たちは、本来なら現実であるはずのママのことも、夢の出来事のようにおぼろげにしか思い出せなくなります。

「かくしボタン」は、一度、のび太の部屋を訪れたママによって解除され、現実が現実に戻りますが、ドラえもんは再び押して、夢を現実とするのです。

視聴者にとっても、今はどちらが夢でどちらが現実か混乱させられ、現実であったはずの世界がのび太たちの記憶からどんどん薄れていく様は、地味に怖いです。

3-3. のび太としずかの死

映画『ドラえもん』史上、ドラえもんが壊れることは何度かありました。

しかし、人間であるのび太やしずかが死ぬというのは初めてです。

ファンタジー系アニメでは「生きかえる」という設定もありがちですが、まさかそれをドラえもんでやるとは…！

「龍の汗を浴びたので一度は生きかえれる」という前情報はあるものの、やはり妖霊大帝の術でチリにされるシーンは怖いです。

着ている鎧はノーダメージなのに、中の身体だけが砂状になり、人型の形を残したまま地面に広がるのです。

特にしずかのシーンでは、しばらく元に戻らないので怖いですね。

3-4. 山頂に建つ学校

夢の中で妖霊大帝を倒し、白銀の剣士（のび太）はお姫様（しずか）と結婚できることが決まります。

しかし、結婚式を挙げる前に「22世紀デパート」の引き取り人がタイムマシンでやって来て、「夢見る機」を引き取って行ってしまいます。

目覚めたのび太は朝を迎え、登校。

途中でしずかと出会い、しずかも見ていた同じ夢の話をします。

しずかに「夢の中ののび太さん、カッコ良かったわよ」と言われ、浮かれながら学校へ向かいますが、ラストで映った学校の位置がおかしいのです。

普段は裏山の横にあるはずの学校が、このシーンでは山の頂上に建っていて、曲がりくねった道が山腹を通って学校まで続いています。

このラストでの学校の位置は、夢の中では城があった場所に相当します。

視聴者は「実はまだ夢から覚めていないのでは？」と不思議に思うものの、学校の位置の謎は何も解明されないまま映画が終わってしまうので、尾を引く怖さを残します。

④ドラえもん『夢幻三剣士』ラストの考察まとめ　

前述の通り、『夢幻三剣士』は、「山の頂上に建つ学校」という不可解な終わり方をします。

このラストから、ネット上では、のび太がまだ夢の世界にいるのか、はたまた夢から覚めて現実の世界にいるのか、様々な憶測がなされています。

ここでは、そんな考察を主に下記の4つにまとめました。

• まだ「夢見る機」の夢の中
• 「夢見る機」によらない夢の中
• 夢と現実が一体化した
• 現実

ひとつずつ、解説します。

4-1. まだ「夢見る機」の夢の中

のび太がラストでもまだ「夢見る機」の夢の中にいるという考察には、「永遠に夢に閉じ込められてしまった」という説と、「いずれは目が覚める」という説があります。

順番に見ていきましょう。

永遠に夢に閉じ込められた

夢と現実が入れ替わる「かくしボタン」を一旦はママが解除するものの、ドラえもんが再び押します。その後、作中では解除されたシーンがないまま「22世紀デパート」に引き取られています。

従って、のび太たちはまだ夢の中にいる（正確には夢が現実となっている）という説です。

この説によると、のび太たちは誰かが解除ボタンを押さない限り、永遠に夢の世界に閉じ込められたままということになります。これは最も恐ろしい考察です。

ある説では、引き取りに2〜3日かかると言っていたデパートがすぐに来たことから、トリホー似の引き取り人が来たことすら夢だとする考察もあります。

いずれは夢の世界から出られる

一方、同じ「夢見る機」の夢の中だという説でも「もうすぐ夢は終わる」とする説もあります。

夢の始まりが「学校の廊下」というのび太の日常から始まったのは、「夢幻三剣士」のカセットの説明書によれば「現実感を持たせるために、敢えて夢を見ている人のお馴染みの場面から始まる」という理由からでした。

従って、夢の終わりも「現実感を持たせるため日常で終わる」仕様になっていても不思議ではありません。

この考察では、のび太は映画終了直後に「本当に目覚める」ことになります。

4-2. 「夢見る機」によらない夢の中

「夢見る機」の夢は終了したが、そこから起床までの間に、「夢見る機によらない普通の夢を見ている」という説があります。

特に、起床寸前の夢はやけにリアリティがあり、夢と現実の狭間のような夢を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

このシーンは、「夢見る機でしずかちゃんと結婚するシーンまで見たかった」という願望と、「でも朝だから起きて学校に行かなくちゃ」という義務感の狭間にある、のび太の深層心理を「普通の夢」が見せているのだとする説です。

この説の場合、のび太は映画終了後、すぐに目覚めることになるでしょう。

4-3. 夢と現実が一体化した

「夢幻三剣士」のカセットの説明書には「長時間見ると、夢が現実に影響を及ぼすようになるので注意しましょう」と記載がありました。

その説明を受け、「夢でスーパーマンになったら現実でも強くなるとか」と想像して喜ぶのび太。

一方、ドラえもんは「そんなことかなぁ…」と少し不安気。

ところで「かくしボタン」を押した上、日曜日を返上して夢を見ていたのび太とドラえもんは、明らかに「見すぎ」と言えるでしょう。

そのせいで、夢と現実の境がなくなってしまった…夢も現実ももはや一体化してしまった…とする説です。

この説も、「永遠に夢から出られない」説と同様、恐ろしいですね。

4-4. 現実

ラストで学校が坂の上にあったり、しずかがウェディングドレス姿になったりするのは、あくまでのび太の心理状態をアニメ的に表現したに過ぎないという説です。

学校が坂の上にあるのは、冒頭で辛い現実から逃げていたのび太が、ラストでは成長し、学校という現実に立ち向かっていく心象をアニメ的に表したのだと言います。

この説では、あくまでのび太の気持ちを表した描写にすぎないのだから、「現実の学校の位置が変わったわけではない」ことになります。

この考察が一番希望的であり、個人的にはこの説を採用したいですね。

⑤ドラえもん『夢幻三剣士』更に怖いエンディング

前述のような不可解なラストを終え、映画は武田鉄矢さんの陽気なエンディングテーマに入っていきます。

しかし、そんな明るい曲の裏側にも、実は怖いシーンが登場します。

それは「じゃんけん」について歌ったフレーズの背後に映るこちらの画像です。

グーしか出せないドラえもんにパーを出すぐう畜しずかちゃん pic.twitter.com/uXLczOCAx3

— 🎌𝕂𝕠𝕦𝕚𝕔𝕙𝕚𝕋𝕍信者🎌 (@kouichibaisuki) April 17, 2023

ドラえもんが「グー」しか出せないのは周知の事実のはずです。

ドラえもんは、それが理由で度々じゃんけんを嫌がっています。

…にも関わらず、しずかちゃんは非情にも笑顔で「パー」を出しています。血も涙もないとはこのことでしょう。

一方、のび太は「チョキ」を出しています。これは、ドラえもんを気遣って敢えてそうしたのでしょうか？

そうではなく、ドラえもんがグーを出すに決まっていることに考えが及んでいないなら、「さすがのび太」と言えるでしょう。

⑥ドラえもん『夢幻三剣士』を視聴できるサービス

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⑦ドラえもん『夢幻三剣士』の原作漫画が読めるサービス

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⑧ドラえもん『夢幻三剣士』が怖い理由まとめ

『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』は、秘密道具「気ままに夢見る機」のカセット「夢幻三剣士」の夢の中で、のび太が「白銀の剣士」となり、妖霊大帝を倒す冒険物語です。

『夢幻三剣士』が怖いと言われる理由は以下の通りです。

• 不気味なトリホー
• 夢と現実が入れ替わる
• のび太としずかの死
• 山の頂上に建つ学校

『夢幻三剣士』の不可解なラストに関するネット上の考察は、まとめると以下の4点に集約されます。

• まだ「夢見る機」の夢の中
• 「夢見る機」によらない夢の中
• 夢と現実が一体化した
• 現実

考察に正解はないため、後をひく不気味さが楽しめます。